セプトくん ５度目の冬

この写真はひっそりと、公開されることのない写真となるかもしれませんでした。
２月１日の土曜日の撮影です。
いつものように足元にまとわりつくセプトくんの様子が、いつもとは違いました。
いつものような軽快な動きではなく、動作の一つ一つが遅いのです。
いつものようにビスケットをねだりますが、投げても反応がありません。
いつものようなホッピングではなく、ヨロヨロしています。
うろうろとしてごはんを探しますが、目の前のビスケットが見つけられません。
それならば、とお米を撒きましたが、やはり反応が鈍いです。
ときおり偶然見つけたかのようにお米を啄ばみますが、プイと出してしまいます。
何か土をほじって啄ばんでいました。

こういうすずめの様子には、何度か心当たりがあります。
しばらくして動かなくなったり、もうそれきり見かけなくなったり･･･
野生のすずめが５度目の冬を迎えられるのは長寿な方です。
セプトくんの動きはますます鈍くなり、群れが他所に移動してしまっても一羽で残っていました。
何度も何度もビスケットを細かくして、セプトくんの周りに降らせました。
たまにほんの小さな欠片を食べて、またうずくまります。
もしも、セプトくんが動かなくなったら･･･
セプトくんの傍に立ちすくんで見守ります。
目は閉じずにしっかりと見据えています。

セプトくんがヒナちゃんの頃を思い出していました。
群れで一番遅く生まれたセプトくんは、親離れが早く、いつも私にビスケットをねだっていました。
やがて、もう冬だというのに換羽で羽はぼそぼそ。
冬を越せるのかどうか心配で、いつもたくさんビスケットを食べさせました。
そんなセプトくんも、もう５度目の冬。
子孫もたくさん残したことでしょう。
しばらくすると、セプトくんはバタバタと羽ばたいて飛んでいきました。

これを記事にするのは気が重く、いつか思い出のように語ってみようと思いました。
その時にこの写真も添えて。
果たして、その「いつか」が来るのか来ないのか、自分でも分かりませんでした。


そして翌日日曜日の午後です。
すずめたちを連れていつものように梅の木遠足。
木にとまってくれる撮影に協力的なすずめ、柵にとまってごはんのスタンバイをするすずめ、足元でごはんの催促をするすずめ。
あれれっ！　セプトくんだ！
試しにビスケットを投げると、他のすずめに取られまいと猛ダッシュで一番大きな欠片にかぶりついて、バリバリッ！
また投げると大きく素早くホッピングして、すぐに捕まえます。
いつものようなセプトくん！
ビスケットが大好きなセプトくん！
食い意地の張ってるセプトくんｗ
食べることは生きること、５度目の冬もあと少し＾＾





アップした画像を見て今気がついたのですが、セプトくんの後ろにいるすずめはセプトくんにそっくりです＾＾
きっと、セプトくんの子供なのでしょうね！
子は親の背中を見て育つ＾＾